大阪 美容外科のココだけの話
激しい下落局面では、そう考えて対処するしかないのだ。
買う時は勢いで買えるが、売る時はより冷静な判断を求められるのが、株の世界だ。
素人にとっては、「買い」より「売り」のほうがはるかに難しい」とは、多くの人が指摘するところだが、それは買った時の値段をいつまでも覚えているからだろう。
「このまま持ちつづけていい」と思うということは、「今の値段で買ってもいい」というのと同じであるのが、おわかりになるだろうか。
株価においては、常に現在の株式の価格にその時の会社の状況が反映されている。
難しく言うと、株価は、企業が将来にわたって上げていくキャッシュ・フローを現在価値に割り戻したものの「総和」であるところの「企業価値」を表わしているからだ。
二兆円を超える営業利益を上げていたTが創業以来の営業赤字に陥り、将来も厳しい状況が続くと予想されるとしたら、株価も七、八割落ちて何の不自然もない。
六○○○円で買っていようが、七○○○円で買っていようが、今のTは二五○○円〜三五○○円なのである。
仮にTの株価がいま三○○○円をつけているとして、Tを三○○○円で買ってもいいと判断するなら、すでに保有しているT株を持ちつづけることができるし、三○○○円で買えなければ(三○○○円では高すぎると思ったのなら)、損を確定させる覚悟で売るのが正しいやり方だ。
もちろん、これは容易にできることではない。
「いつかは戻るだろう。
今よりも四分の一だけ戻したら、あるいは買った時の二分の一にまで一戻したら、そこで売ろう」などと考えていると、長期にわたる下落局面では結果的に売りそびれてしまうはずだ。
買った時の値段を忘れなければ下落局面には対処できない。
繰り返すが、あなたがいくらで買ったかには関係なく、現在の市場でついている株価で、買っても良いと思えるのでなければ、売ることだ。
仮にあなたが「今の値段なら十分に割安だから買い増したいくらいだ。
しかし現金の余裕がないので買い増しはできない」と思うのであれば、あなたは今、持っている株をそのまま売らないでキープしていれば良い。
繰り返すが、一九三○年代の大恐慌下では株価が回復するのに二五年もかかった。
二五年持ちつづける覚悟があるなら話は別。
しかし、たとえば団塊世代の投資家が二五年後の八五歳を超えた時点でまとまったお金を手にできたとしても、あまり意味がないのではないだろうか。
長期投資が勧められたのは、いわば平時でのことだ。
恐慌という戦時では、社会の経済システム全体が円滑に機能していないので、平時の経済の前提となるファンダメンタルの真の姿が見えにくくなってしまう。
こう言えば納得してもらえるだろうか。
長期投資という場合に、まず名が挙がるのはW・Bだろう。
だが、彼は大恐慌時代には生きていなかった。
遭遇していないのだから、大恐慌時に長期投資の愚を犯さずにすんだだけのことなのだ。
しかもW・Bが経営する投資会社、BHのポートフォリオを年ごとに吟味していくと、Bは長期投資を調いながらも、持ち株を巧みに入れ替えているのが見てとれる。
たとえば二○○二年に取得した中国Pcの株式は二○○七年には売り抜けてしまっているのだ。
さらに付け加えると、恐慌時の長期保有が恐いのは、企業倒産の危険と直面する機会が増えるからでもある。
倒産したら紙くずである。
骨と皮だけになってしまったカジキマグロのように。
もちろん、口で言うのは簡単で、下落し続ける相場の中で、持ち株を売るのは、思いのほか難しい。
もしかして「底で売る」という愚かなことになるのではないか。
そういった恐怖心に駆られるからだ。
これは株式投資の専門家も指摘するところだ。
どうしたらいいだろうか。
私のこの質問に対して、専門家はこうアドバイスした。
「目をつぶって、売れ」。
実際、そのように思えないのであれば、いくらで買った株であるにせよ、買った時の値段を忘れて売ることだ。
そのような株には「塩づけ」にしておく価値はなく、より一層値を下げてしまう可能性が高いからだ。
実際、二○○八年の株式相場においては、早めに売った人だけが、傷口が浅くて済んだのだ。
局面においては一時的な回復はあったものの、世界大不況は結局、第二次世界大戦が始まるまでの約一○年間という長きにわたるものとなってしまった。
恐慌の原因をまとめてみよう。
生産面から見ると、一九二○年代の繁栄は全産業的なものではなく、自動車や建設、不動産などの成長産業に片寄っていたことが挙げられる。
石油や化学産業は興隆しつつあったが、まだ充分に育っていなかったし、鉄道業の成長は止まっていた。
メディア産業は映画とラジオが新興勢力として、してきていたが、TVの出現はまだ研究段階であり、TV受像機の爆発的普及が想定できない時代だった。
彼らにとっては、T型FもGEの冷蔵庫も依然として高嶺の花であり、自前の住宅の購入などは絵空事だった。
『怒りの葡萄』の最終章近く、主人公の一家がピッツバーグの万国博覧会に行ったときに買った思い出のペンダントを懐かしむ光景が描かれている。
彼らがそこで見たものは輝かしい未来ではあったけれど、田舎のオクラホマに暮らす彼らの生活とはかけ離れたものだったろう。
それでも一家でピッツバーグまで出かけたことは、楽しい思い出だったのだ。
消費面から見ると、一九二○年代には購買力にも偏りがあった。
二○年代の消費文化を享受できたのは大都市の富裕、中産階級であり、一九二九年においてもアメリカのほぼ半数の家庭は生存ぎりぎりかそれ以下の状態にあったとされている。
信用の収縮に連動して経済規模が大幅に縮小した一九三○年代は、ニューディール政策を経て「ウォーディール(戦争による産軍複合体の経済とに急旋回していくことによって、大不況を脱していく。
結局、大恐慌は戦争でしか解決できなかったのだが、その後の世界が一九三○年代から学び取ったものは多かった。
それは、著しく自らを修正した資本主義市場経済の姿である。
たとえば日本では、太平洋戦争中の一九四二年にN銀行法が公布され、管理された通貨体制が整ったし、国家官僚(テクノクラート)による戦時中の統制経済は、戦後においても政官財の協調体制として大いに機能し、世界の驚異といわれた高度経済成長をもたらすこととなる。
資本家側に生産調整という発想が希薄だったために、一九二○年代の市場には購買力をはるかに超えた量の製品が溢れることとなった。
在庫の積み上がりは、不況に突入すると、一気に労働者の解雇へとつき進んでいく。
一九二○年代の農民は都市部の繁栄からはとりのこされていた、とされる。
彼らは借金に苦しみ、田舎の町々にあった小規模な銀行は一九二九年以前にすでに五○○○行が倒産していた。
もしかしたら日本は二度とふたたび繁栄の時代を迎えることはないかもしれないが、すべてがうまくいった戦後の日本経済をふりかえってみよう。
改めて当時を点検することによって、一八○度といってもいいほど、繁栄の前提条件が異なってしまっていることがわかるからだ。
敗戦後、日本の対アメリカとの間の国際収支、貿易収支は、恐ろしいほどの慢性の赤字、入超だったが、昭和一二十年ごろから重工業生産が軽工業生産を凌駕し、四十年になって対米貿易が入超から出超に転じる。
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